自邸 兼 オフィス


 A MODOは、住居とオフィスの空間を積み木のように組み合わせながら、モードによって変化する建築です。建築が変化することで、長期的に建築の価値を最大化することを試みました。

Amodo

The lower floor


メゾネット+ペントハウスのリノベーションです。各階ともアトリウムの両側に2つの空間を、最上階にPHを有しています

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The upper floor


かつての避難口をサブエントランスとして活用し、オフィスやゲストとの共存を容易にしています。

Diagram


 本計画のダイアグラム・立面を表す動画です。全体のヴォリュームを積み木のようなコンポーネントに"分解"し、"再構築"しながら住居やオフィスとして使用することを想定しました。コアとなるアトリウムの周りに、5つのからっぽの室を配置しました。


 例えば、Atriumをカーテンで区切ると、Room-Cは独立した出口とPHの水回りを持った空間となり、ショールームや試泊施設として活用できます。( Room-CからAtrium側を見る )

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A MODO


 タイトル A MODOは、ラテン語で「モードによって」と意訳しました。 A MODOは、先行きが不透明な現代において、モードを変えながら居住者とともに生きながらえていく建築です。
( Aは「~によって、」などを示す前置詞、「MODO」は英:MODEの語源にもなっている言葉で「方法、適量」などを示す名詞MODUSの格変化です。 )

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自然に分解する素材と作りながら住む空間


 ギャラリーの主役であるKumiko Uchidaによる和紙のちぎり壁は、アートであり、かつ自力で修復が可能なマテリアルと捉えました。
kay (Kumiko Uchida)

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建具や一部の内装・塀には、学生とワークショップを開いて製作した焼杉を使用しました。主な仕上げは漆喰、木材とし、炭素固定に寄与しながら自然に分解できる素材を最大限活用しています。

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各部屋はがらんどうであり、使いながら間仕切りや家具を足していきます。

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環境・防災技術


 設計者は環境系(建築防災)の研究室で招聘研究員としても活動しています。本計画では、時期によって役割が変化しながら熱負荷を低減する、非蓄熱トロンブウォール・スリットを設置しました。吹き抜け上部の開口部の前に壁を設け、夏場は日射を遮蔽し、冬場は太陽熱で温めた空気をスリットから室内に送風します。中間期~夏期は、背面にある既存の自然排煙口(現在の法規上は不要)を開放することで、スリットを介してソーラーチムニーによる重力換気と外気冷房を行います。

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ZEH Oriented


 リノベーションながらZEH Oriented相当の性能を有しています(弊社計算)。災害時には、住居エリアを縮小して、近接するオフィスの社員を招き入れるBCPも想定しています。

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施工


 設計者が経営する鈴木工務店で施工しました。鈴木工務店は2026年で80年になる大工の老舗企業でありながら、専門工事で培った技術を活かして住宅改修等の設計・施工を行っています。がらんどうの部屋の内部は少しずつ姿形を変えていきます。内装には、丸太から買い上げて鈴木工務店で保管している材木をふんだんに使用しました(協力:オグラ)。

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Vision


 鈴木達朗+鈴木工務店は、建築の分解と再構築に挑みながら、建築することを楽しむ計画を展開していきます。

Credit

設計・施工:鈴木達朗+鈴木工務店
大工:鈴木工務店
設備:彩建設
電気:東電設
塗装・漆喰:市原塗装
左官・モールテックス:吉田官業
クロス、リノリウム:かね石建装
建具・家具:サクライタテグ
サッシ:トーヨーテクニカ
解体:ソーア
和紙ちぎり壁:Kay (Kumiko Uchida)
焼杉:早稲田大学伯耆原研の学生+鈴木達朗
環境、設備計画:鈴木達朗 (アドバイザー:関野正人)
木材調達協力:渡部豊(オグラ)
造園:峰岸桂樹(NSコミュニティ)
写真:八坂麻里子

Photos

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